先日、通勤途中にチャリがパンクした。
さいわい道半ば以上は行っていたので時間で困ることはなかったが、ついにこの日が来たかと思った。
ただのパンクだし、直せば乗れないこともない。
だけど、もうかれこれ15年くらい乗ってる。
日頃手入れもしてあげないからサビサビだし、前カゴはべこべこで変な形になって荷物もロクに入らないし、漕ぐとギコギコ言うし、とにかく満身創痍と言っていい様相。
以前買い替えようと思ったのはもう2,3年前。
そんときは結局土壇場で修理に切り替えた。自転車屋で新しいコを物色していたにもかかわらず、気づけば「直したらいくらですか」って訊いてた。
15年の間何回か修理に出しているので、その費用だけで新人君が2,3台は買えたろう。
なかなか手放しがたかった。
わたしは子供の頃チャリンコに乗れず、日常の足として乗るようになったのは結婚後。
愛車君は文字通りわたしにとってはじめての相棒だった。
ボロボロでも、一緒に過ごした日々を、いろんな景色を見たことを思うと、なかなか、なかなか別れがたく。
だから、次にどこかを痛めたら今度こそそのときは、もういい加減引退させてあげようと思っていた。
どうやらようやくその日が来たようだ。
仕事の後愛車君を引いて自転車屋へ行った。
いったん愛車君を預けて新車の物色をさせてもらう。
そのことをはむぺむに告げると合間を縫って電話をくれた。
「愛着あるなら直して乗ってもいいんだよ?」
気持ちが揺らぐ。
もうちょっと、一緒にいてもいいかな?って思いそうになる。
いっぽうで、もう休ませてあげたくもある。
悩んだ末
「いや、もう買い替えるよ。もうじゅうぶんつきあってくれたよ」
結局その日は新しいコは買わず、処分費用を支払って愛車君を引き取ってもらった。
店員さんは少し怪訝そうな顔だったが、最後に写真を撮らせてもらった。
お別れに車体にそっと触れると迂闊にも涙がこみあげてきて、あわてて店を辞し歩いて帰宅した。
週末にでも新しい相棒を探しに行く予定なので、いましばらくはチャリのない暮らし。多少不便だが、相棒への弔い期間に充ててありがたみを思い知るのもよかろう。
ああ、思い出しても泣けてくる。
ほんとに長年ありがとう。
きみのおかげでわたしの世界はものすごくものすごく広がったよ!
…うん、相変わらずモノに感情移入しすぎてイタイ子になってますが、ほっといてあげてください。
車編愛車君とのお別れ
人違いしたこともあったねぇ
ところで今回写真見ながらチャリンコの絵を描いたんだが、自転車をあらためてまじまじ見ることってないんだなって痛感した。
前描いたチャリがヒドすぎる。脳内と実物ってこんなにかけ離れてんだね。
愛車君とのエピソード