華麗なる恋愛遍歴(*恋人=仕事)中編

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前編からの続き。

 

リアルでの結婚後、ありがたいことにわたしの生活ははむぺむが面倒見てくれることになった。

専業主婦願望が格別強かったわけではないが、いずれは子供も展望にあったため、パートタイムで働くのが妥当だろうと近場で職場探しを始めたのは結婚後1年近く経ってからだったか。

 

具体的な要望も展望もなく、ただ近いというだけでやりはじめたパートは地元密着スーパーのレジ係。

このカレとは、別れたりまたくっついたりを繰り返しつつ、結局カレが存在しなくなるまで実に7年余続いた。

 

すごく好きだったわけでもないし、自分に合うと思ってたわけでもない。

むしろこの7年でものすごい人間嫌いになったし、やろうと思えばほかの仕事なんていくらでもあったろう。

それでもなんか、別れがたく。

ひたすら愚痴をこぼしつつ、日曜祭日年末年始や各種連休も捧げ、夜も人がいないときは閉店まで手伝い。

いっぽうでまだまだ寝坊癖があった甘ちゃんだったので、職場の人のモーニングコールで起きて「5分で行きますスンマセン!」なんてことも結構あった。

いよいよ経営が傾いてきたころに「もう逃げ出そうか」と考えていたら、はむぺむに止められた。

「最後まで看取ってやれよ」

 

 

そうして迎えた永遠のお別れの時は、感慨深かった。

だんだん寒々しくなっていくお店の棚を眺めて、もう会うこともないだろう従業員仲間と握手を交わして、お客さんの何人かから次の仕事が決まってないならぜひとお声がけいただいたり、なるほどこういうシチュエーションでないと人生で体験することはないだろうなぁ、ということをたくさん経験させてもらった。

 

 

カレと永遠のお別れをしてからしばらくは、次の仕事を探すというモードにすらならなかった。

ありがたいことに自分は働かずとも食っていけるのだ、という感覚をこの時にはじめて実感したと言っていい。

なぜかスーパーにいた頃は辞めちゃいけない気持ちが強かったからな。

 

 

しばらく求人広告に目を凝らしていると、ライター募集の記事を見つけた。

その辺のことはこちらの記事に詳しい。

 

www.hampemtarutaru.com

7年もの年月をスーパーのカレに捧げた後だったので、インテリ系のカレに憧れたのだろう。

相手の希望条件にゃ程遠いにも関わらず熱心にラブレター持って押しかけていって、気づけば懐に入り込んでちゃっかり仕事をもらっていた。

 

結局引っ越しを機に疎遠になって自然消滅しちゃうんだが、その間にもほかのライティング系のカレともちょくちょくお付き合いしていた。

たいした実入りにはなっていなかったけど「その業界のカレと付き合ってる自分」にある程度満足はしてたかな。

 

 

その辺のカレとのお付き合いをダラダラ1年くらいしてきたが、ある日その世界に居続けることが苦痛になりすっぱりお別れする。この話は上に載せた記事で書いてる。

 

 

ちょうどそのころ、はむぺむがちょっと大きな怪我をした。

当面の生活に直接苦労するわけではなかったが、自宅に働かずに二匹でいるとなんとなく不安でもあり、それが引き金になって喧嘩などに発展するのも嫌で、またわたしが外へ働きに出るきっかけになった。

そのときにはなぜかはむぺむの勧めでたこ焼き屋のカレを選んだ。

 

 

たこ焼きの仕込みやらたい焼き(も売っていた)を焼く作業はものすごくおもしろかったが、いかんせんこのカレ人柄が最悪で。

店長やらオーナーやらと喧嘩して3ヵ月と持たずに辞めた。

 

 

この辺で内職のカレとも付き合った。タバコの箱を引き取ってきて組み立てて納品するみたいなやつ。

あまりにばかばかしくて2回くらいでお別れした。

 

 

なんかいい仕事ないかなーと街をさまよっていたある日、某コーヒーショップの店頭にアルバイト募集の張り紙を見つけた。

 

そう切実に働かなくちゃと思っていたわけでもなかったので、本当になんとなく、だったのだが、その張り紙の電話番号をメモして、なんとなく電話した。

 

電話で張り紙を見た旨を伝えると「今は人足りてるんです」とのお返事。

そっかー、じゃあしょうがないな、とお礼を言って電話を切ろうとすると、なぜか慌てて待って待って面接だけでもみたいなことを言い始める電話口の人。

結局面接まで漕ぎつけ、その後2年余りこのカレと付き合うことになる。

 

あとで聞いた話では、この電話口の人がオーナーで、電話の応対がよかったから断るのがもったいなかったとのこと。

その後何度も聞かされた。ありがたいが、本人はそんときの会話を微塵も思い出せない。

 

このコーヒー屋のカレはとにかく朝が早くて、通勤もチャリで20分くらい、雨でも車は使えず(停めるところがなかった)とそう条件がいいわけではなかったが、Eちゃんをはじめ一緒に働く人たちが魅力的で、店内に充満する曳きたてのコーヒーの香りは最高だった。

スーパーの頃と比べると客層も良く、気の利いたやりとりのできるようなお客さんも多い。とても楽しかった。

 

 

真っ暗の早朝から雨の日も雪の日もえっちらおっちらチャリを漕いで通い続けた。

途中一回別れてまた期間限定で出戻ったりしていたが、結局引っ越しを機にお別れすることになった。

遠くなっちゃったがこのカレとはまだ続いていると言っていい。Eちゃんには定期的に遊んでもらってるし、お店にも時々は遊びに行ってるし。

 

 

なんかえらく長くなったのでさらに(今度こそ後編へ)続く。

 

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