それほどアツく語りたいわけでもないのだが、ちらと目にした記事が気になったのでそれについて。
ナルホド白髪染めに関する同調圧力ってのはあるかもしれない。
白髪に限らず、上記の記事の著者も書いてるけど、ことに年齢が行くほど
「わたしたちも我慢して通ってきた道なんだからあんたらもちゃんと相応の苦労しなさいよね」
みたいな感覚を持っちゃうところってある。
そういう感覚が同調圧力を生み、パワハラを生み、結果年齢や立場が上の人から下の人へ行われる言動全てが威圧的で命令的になる。
そしてそれが蔓延していることが現在みたいに広く知られるようになると、今度は受ける側が全部そういう風に見えてくるから、的確な指摘や助言さえ「そういう風に見えて」素直に受け入れられないという超ネガスパイラルな図式になる。
ざっくり分けて白髪染めろってのはハラスメントの類になるわけだが。
髪の色は自然でいいとか、最低限服装がドレスコードを満たしていればいいとか、そもそも人の見た目にごちゃごちゃいうことこそマナー違反じゃないかとか、いろんなことが言われている。
どれもその通りだとは思うんだけどさ、その話するときって個人的には性別の話を切り離して考える事ができない。
というのも、女性は公式の場では化粧をすることがマナーだとはよく言われることだ。
なんで男はしないのに女だけせにゃならんのかわたしにはさっぱりわからない。
化粧の程度だっていろいろある。キレイにすることが必須条件ってんなら、男だってするべきだろ。
ハゲをハゲのままで享受しようってんなら女性の化粧だってしたくない人はしなくて全然かまわないだろ。
もっと言えば男性はスーツにネクタイ、女性はワンピースにヒールってのも意味不明だ。
もはや性別に境界線なんてない。ワンピース着たい男だって、ネクタイ締めたい女だっているだろうよ。
でもそれがスタンダードにはこの先も当分なりえないだろうね。
それはもう、そもそも見た目もつくりも男女が異なる生き物だからとしか言いようがない。
じゃあ一般的に求められる常識とか道徳とかマナーって何なのか。
これはもう、個人差があるとしか言いようがない。
ことに「見た目」に関してどうしてもルールを決めたいなら、それぞれのコミュニティ内で取り決めてもらうのが一番いいだろう。
お店でドレスコードがあるのと同じように、学校に校則があるのと同じように、会社ごとに「男はスーツ着用、女はヒールと化粧必須」とか、仲良しサークルごとに「50歳を過ぎたら白髪染め必須」とか、ママ友仲間で「ブランド服着用禁止」とかさ。
好きにルール決めをしたらいい。
オトナの社会においてはそもそもそんなの明文化されず罰則もないことがらだもの、守らなくたって誰もあなたを責めやしない。
ただ「ルールに従っていないからなんとなく居心地が悪い」程度の話。
気に入らないならコミュニティから出ればいいだけのこと。
ルールが適用される組織の外に一歩出れば、何を着ようが着るまいが完全に自由だ。
ああ、いや、着なかったら捕まっちゃうけどな、猥褻物陳列罪とかで。
見た目に関するすべてのことは、どこまでも個々人の自由だ。
極端な話、よく「清潔でありさえすればいい」なんて言われるが、それすらも不潔だから罰則を受けるなんて法はない。
いや、もちろんその不潔が原因で病気が発生したりするレベルだと別の問題になるが。
好きにすりゃいいのだ。
男が女の服を着たけりゃ着ればいいし、化粧したけりゃすればいい。
女がスーツ着ればいいし、ハゲたっていい。
ただ、それによって「まわりの人間に受け容れられないから」やなんだろ。
制度や法律や常識やマナーの問題じゃない。
なんらかのコミュニティにおいて自分の居場所を確保したいから、その組織内に流れる暗黙のルールに無理に従おうとしてるだけ、なんじゃないのかと、わたしには思えるのだけど。
他人が何着てようがキレイだろうが汚かろうがわたしにはまったく関係ない。
好きな人は好きだし、いやな人はいやだ。
好きな人がいやな格好をすれば意見はするだろう。そしてそれが受け容れられるかどうかは相手次第だ。
受け容れられずに改善されなかった場合、それを我慢して付き合いを継続するかどうかは自分次第だ。
言わずもがな逆もしかり。
だからわたしは、白髪は染める。
染める理由は「そうすることをはむぺむが喜んでくれるから」。
化粧はしない。
しない理由は「必要性を感じずめんどくさいから」。
でも友人の結婚式などでは化粧をする。
する理由は「先方に最低限きれいに装っている自分を見せたいから」。
理由のすべてが自分本位だし、他人もそうすることが当たり前だと思っている。
見た目に関わるすべての話は、個々人の持ってるモラルみたいなものに負う部分が大きくて、結局誰に何を言われようが当人が好きにするしかないんじゃないのかなあ。