以前ちらと触れましたが、うちには膨大な量の漫画があります。
そんな漫画ですが、全部全巻そろってるってわけでもなく。
ちょっとつまみ食い的に読んで、それほど気に入らなければ中途半端でほっぽりっぱなしにしてあるものも結構あります。
そんな中のひとつが、「イキガミ」。間瀬元朗という人の作品。
以降、多少ネタバレ注意でお願いします。
2005年からヤングサンデーで連載、その後スピリッツに移った。
連載当初に内容が星新一著の「生活維持省」と似ていることで騒動にもなっている。
そっちでご記憶の方も多いかも。
ものすごくざっくりストーリーを紹介する。
漫画内の世界において、国家が健全に繁栄するために「国民に生命の価値を認識させる」方法として、例外なくすべての子供に注射を行う。
国民はこの注射で注入したナノカプセルによって1/1000の割合で18~24歳の間に無作為に命を奪われる。
その尊い犠牲者には死亡予定時刻の24時間前に予告証が届けられる。
主人公は体制側で、この予告証、通称「逝き紙」の配達人。
イキガミを受け取った人々の残された24時間でのさまざまな人間模様を描くもの。
エピソードごとに完結するスタイルで、全10巻なのだがわたしは8巻までしか読んでいない。
アイデアもストーリーも絵も、及第点と言えば及第点だし、陳腐と言えば陳腐。
生死のかかった場面では良くも悪くも人間の本質は見えやすいものだが、どうしても短い話数の中で完結させるとなると薄っぺらくなってしまうのは否めない。
設定はそれぞれに異なるが、読んだ感じとはしては「リアル鬼ごっこ」や「バトルロワイヤル」とかが近い感じかな。
漫画だけならわざわざレビュー書くほどでもないかなと正直思っていたんだが、ちょうど先日ふとその漫画を手に取った直後に、映画の「イキガミ」を見られる機会があり。
主演が松田翔太、のほかやたらキャストが豪華。
山田孝之や成海璃子も名を連ねていて、どこの役どころで出ているのかちょっと気になって観ることにした。
序盤は少し飛ばし気味で観たのだが、なかなか芸達者な役者さん揃いで、気が付いたら後半はがっつり観てしまった。
キャストが実力派だと、話を知っていても、そしてその話をちょっとアレだなと思ってさえいても、感動できちゃう。
最後の山田✕成海のくだりのエピソードは、それだけでも鳥肌もんの名シーンが続出でした。
原作でも同じシーンがあるのだけど、原作者が描きたかったであろうもののさらに上を行く映像になってます。
映画用に原作のエピソードを何本かじょうずにまとめてある。
ただ、漫画最後まで読んでないわたしは映画にその結論を期待したんだけど、それはまったくなかったです。
なので、設定やストーリーの行方が気になる方は漫画を。
そういうのはそれほど興味ないけど上手な役者さんの上手な演技が見たい、方には映画をおすすめします。
映画としては当時あまり聞いたこともなかったし、たぶんそれほど流行ってもいなかったんだろうけど、映画の出来云々はさておき役者さんたちの熱演ぶりはもっと評価されてもいいんじゃないかしらと個人的には思っちゃいます。
ちなみに映画の中で、世界観を印象付けるためだろうけど千葉都市モノレールが使われていました。
空飛ぶモノレールね。
見た目ほんとに未来的で、世界観にひと役買ってることは間違いないです。
乗り物好きなのでそこでちょっぴり加点もあるかな。
出てくるたびときめいてたもん(←アホ)。