以前どっかでやってたのを録画してあって、見るつもりもなくチラ見くらいのつもりだったんだが、意外とハマっていっきにラストまで見た。
83分と短かったから見れちゃったってのはある。
2020年公開の中国映画。
中国映画自体見るのは非常に珍しい。
ジャッキーチェンは大好きだが、およそそっちのジャンル以外の中国映画を見た記憶がない。
三国志は大好きで小説や漫画やゲームやらいろんな媒体からの知識が入っているが、さて本場ではどんな捉え方をするのかと非常に興味があった。
うん、えっとね、時代劇だった。
日本人が見る時代劇、な感じって言ったらいいのかな。
中国人はそういう感覚でこういうの作ったり見たりするんだろうね。
たとえば水戸黄門とか暴れん坊将軍とかってのは、実在の光圀さんや吉宗さんをモデルにしてるけど、あれを面白がって喜んで見てる日本人な我々だって、それらがエンターテイメント的にデフォルメされて味付けされたものだってわかってるじゃない。
あるいは豪胆だったろう信長公が狂った描写をされても、鷹揚だったろう家康公が狭隘な人物として描かれても、それほど怒ったりはしないじゃない。
上手く言えないけどまあそういう感じ。
この映画のレビューとかを拾い読みすると、評価がだいぶひどかった。
周瑜と孫策について刷り込まれたイメージがあって、さりとてそれを歴史上の出来事とリンクさせて自分なりの像を結べるほど情報はない状態で、イメージとかけ離れた描かれ方をしていたことが酷評のおもな原因なのかなと。
なので、中国におけるこの映画に対する評価がどうだったのかを知りたい。
映画内では三国時代のはるか前、孫策が玉璽を質に旗揚げする直前あたりの話が描かれる。
玉璽をめぐる追っかけっこがその主題で、周瑜は袁紹の配下でスパイ活動に勤しんでいるという設定。
いろんな知識をかき集めても周瑜が袁紹配下にいた記憶はないので多少混乱したし、ほかの主要キャラも名前を知らない曲軍師やら高将軍やら(映画オリジナルなのか、中国では一般的に知られているのかは不明)関係性もつかみにくかった。
それでも、みすぼらしくも豪快で快活な若き孫策は魅力に溢れていたし、周瑜はちゃんと美周郎なキャスティング。このふたりの敵対、裏切り、時には共闘とそれぞれの葛藤やらその距離感が描かれ、それだけでどうにか引っ張っていってくれた印象。
途中小喬が登場するのだが、まさかの盗賊な役どころ。
この小喬大喬のエピソードは正直いらなかったっていうか超無理矢理トンデモすぎる設定だった。中国人はこういうの好きなのかなあ?
でも、小喬美人だったなー。
唐突に思える戦闘シーンは、描写のとらえかたがもうなんか古臭いっちゃあ古臭い、古典的伝統的っちゃあそう言えなくもなく、個人的には独特の世界観があって嫌いじゃなかった。
三国志にカテゴライズすると、印象としては単に孫策と周瑜という名前の人が出てくるだけのよくわからない物語、になっちゃうのかもしれないけど、わたしは結構楽しめたよ。
中国人が見る三国志、中国人が持ってる孫策や周瑜像ってのからそんなにかけ離れてもいないのかなって思えたし、いちいちが日本人の感覚と異なってその違いは面白かった。
ただ、ただね。
この映画を紹介してるサイトにこんな記述があってだね。
小説、コミック、ゲームなど様々なメディアで形にされてきた「三国志」の世界。時に“競争を生き抜く知恵”や“企業のリーダー像”を学べるバイブルとしても愛されてきた、言わずと知れた最強コンテンツ。幾度となく映画やドラマとして映像化もされてきた作品だが、本作では周瑜と孫策にスポットを当て、根強い人気の「江東戦」を圧倒的なスケールで描いている!
総製作費15億円を投じ、3,000人のエキストラを動員した時代劇アクション大作を見逃すな!
総製作費15億円。
エッ、それはウソでしょ!?盛りすぎでしょ?
映画として総評的に悪くなかったけど、見終わったときの印象としては
「ずいぶん低予算で作ったんだろうなー」
って感じだったよ。
映像も陳腐だし、戦闘シーンなんざ大河にも負けるんじゃないか。ストーリーも同人誌から起こしたみたいな話だし(日本人感覚)。
三国志に対して先入観やイメージをさほど強く持っておらず、でも三国志好きだよって人は楽しめる作品なんじゃないかと思います。
で、観た方いらしたら、15億どこに使ったのかの推察をぜひわたしに教えてください。