豊昇龍と納谷に見る大相撲の未来

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相撲は人並みに好き。

大好きでずっと見ているわけではないが、わたしら世代にとって相撲と野球はほんとうに小さい頃から当たり前にそばにあったものなので、見ない期間が続いて力士の名前がまるでわからなくなっていても、久しぶりに見るとちゃんと面白い。

 

NHKで中継が始まるのはだいたい午後3時過ぎだが、そのまえにも序の口から序二段三段目、幕下十両と相撲はずっとやっている。

BSで放送されているものをたまたま見たのだが、これがおもしろくて。

 

 

落語なんかもそうだけど、未熟なものから徐々に盛り上がって行くさまっていうのはなんだかえもいわれぬ面白さがある。

いきなり質の高いものをバンと見てもそれはそれで面白いのかもしれないけど、やはり全部がメインディッシュじゃ飽きる。そんな肉ばっか食わされても…みたいな。

前菜があって、箸休めがあって、みたいな感じじゃないとな。

 

 

多くの方はご存知だと思うが、相撲取りは十両以下はたしかほとんど給料がない。見習いの訓練生みたいなもので、十両以上の関取の付き人をする。

幕下力士は東西あわせて120名が定員。三段目は200名、序二段と序の口は定員がない。

何枚目の表示で見る限り2018年秋場所現在では序二段は200名以上、序の口が60名程度と言ったところ。

十両は28名、幕内は42名。

十両以下の訓練生の数の多さを見ると、それ以上の地位「関取」に定着することがどれほどすごいことかよくわかる。

 

 

現在幕下に豊昇龍と納谷というふたりの力士がいる。

納谷のほうは報道もあったのでご存知の方も多いかもしれないが、貴闘力の息子であの大鵬の孫にあたる相撲エリート。

いっぽう豊昇龍も、元横綱朝青龍の甥っ子にあたるそうな。

 

納谷は188cm166kgと堂々とした体躯。

豊昇龍は185cm107kg、納谷と比べるとだいぶスリムで見劣りするが、漲る気魄は叔父の朝青龍以上のものがあった。

そしてふたりとも、幕下力士とは思えぬ見事な四股。

今場所の直接対決は豊昇龍が制したが、今後よいライバル関係を保って精進して行ってほしい。幕下あたりで見る相撲としてはすばらしい一番だった。

 

 

近頃はモンゴル人にすっかり占拠されてしまった感のある日本の大相撲。

でも正直、当たり前って気もするんだよね。

遊牧民族に農耕民族が身体を使った直接の戦いで勝とうってなかなかどうして難儀な話じゃない?

母国を離れて異国文化にどっぷり浸からされて、そりゃ手ぶらで泣き帰るわけにいかない。モチベーションにも雲泥の差があるだろうね。

 

ちなみにかの大鵬も「巨人・大鵬・卵焼き」なんて言って日本人にはずいぶん愛されたようだが、彼も純粋に日本人ではない。

ウクライナと日本のハーフだ。

なので納谷の父貴闘力はクオーター、納谷もワンエイス(1/8)といってウクライナの血が入っているってことになる。

 

 

どこの血が入ろうが民族が何であろうが国籍がどこであろうが、相撲と言うカテゴリのなかで活躍する一力士としては関係ない。

そうは言っても、スポーツなどを観て楽しむ側としてはご贔屓がいると楽しいわけで。

そのご贔屓の理由として、国籍やら出身地やらが理由の一つになったとしてもそれはまったくおかしなことではないだろう。

逆に言うと、単にそれだけなんだよね。

国籍だの何人だのって話は、その程度の差でしかない。

 

もっとも大相撲という世界はそんなことより抱えている問題が多すぎる団体だが、文化のひとつのかたちとしては実に完成された見事なものだ。

あんなにでかい男どもが防具のひとつもつけずに全力でのぶつかりあいを実に15日間もぶっ続けでやるのだ。しかも本場所だけで年に6場所も。

こんなにエキサイティングな競技はなかなかない。そりゃ外国人観光客も喜ぶさ。

 

 

なんかだいぶ熱くなってるが、何の話をしたかったかってーと、豊昇龍と納谷の取組を見て、5年後10年後の大相撲が楽しみになったって言いたかったのだ。

 

がんばれ若者!

 

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