長い夜(後)

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本日これの続きです

 

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店を出た途端すばらしいタイミングで声をかけてきた若者、件のバーは以前から気にはなってたけどなかなか行く機会もなかったお店。
きょうはなんだかタイミングが妙にある日だ。こういうときは流れにまかせてみよう、と行ってみることに。


道中聞けばこのチラシを撒いていた若者はなんとほんとうにその日が初めての仕事で。
ふだんは昼間働いていて、ヒトの紹介で来たがロクになんの説明もされずにこうしているため、自分でもなにがなんだかわからないと語った。


実際店に着いても誰もいない。テーブルは前のお客が散らかしたまま、今日はじめてバイトにやってきた彼には飲み物すら出せない有様。
これは…いろんな意味でスゴイな。ヒドイな。


そうして待つこと15分ほどで店主らしき男がべつの客を連れてやってきた。
いらっしゃいませすら言わず、何もわからない若者に「オマエなんでそんなこともできねえの?」みたいなニュアンスで指示にすらなっていないような指示を繰り出す。
若者も若者であきらかに不満げ。ま、そりゃそうだよな。
なんかいろいろ通り越してむしろ面白くなってくる。ナンダコレ。



店主も飲み、若者も飲み。
話してみればそれぞれに面白い人間だということがよくわかる。
というか人間なんてすべからく誰だって知れば面白いモンだ。
ただ、とりあえずふたりともかなりの変わり者なことは間違いなかった。
店主は短気で雑で直感派、そして若者はメチャクチャに理屈っぽい。
どう見ても水と油。相性は最悪だろう。


べつのお客はほどなく帰り、うちらだけになった頃にキャバクラに行く話が出た。
店主はもうウッキウキで仕事なんてどこ吹く風、やりっぱなしでいいから今すぐ行こうぜ!と乗り気満々。
ああ、やっとこの長い夜から解放される…


店を出て彼ら3人を見送りわたしは帰宅。疲れ果ててすぐに布団に潜り込んだ。

だが妙に気持ちが昂ぶっていてすぐには眠れず。ゴロゴロと寝返り、ようやくウトウトと睡魔が訪れたころに電話が鳴った。


「さっきのやつらともう一軒行くからお前も来いよ。何分で準備できる?」


無茶苦茶だ。時計を見れば午前4時を回っている。まだやってる店あるんかい。
15分後にはタクシーの車内におさまっておりました。


住宅街の中にひっそりとある、朝6時までやってるというお店へ。
ここではむぺむは伝家の宝刀を抜く。
カレー味のう○ことう○こ味のカレー、どっちを食べる?
短気なバー店主はさすがの経験値、即座に白旗、見切りの早さに感心。
理屈好きの若者の方はすっかりとっつかまって結局2時間くらいやってました。


時刻は8時近く、帰りのタクシーから見える世界はすっかり朝でした。
解散後、とどめをささないと終われないはむぺむを漁船自家用車に乗せかえてラーメン屋。


ああ、長い夜だった。
 

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