コロナの真の怖さを垣間見た話

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*本記事はあくまでいち素人の感想記事で、医療的科学的観点から正しいことはたぶんまるで書いておりません。そんなやつはいないでしょうがこれをもって安易にご自分の病状を判断したりするのは絶対おやめください。

*病気に関する内容のため直截的にお見苦しい表現もございます。お食事のお供にはおススメしません、食い終わったら来てくだされ。

 

 

新型コロナが蔓延してはや1年が過ぎた。

マスク外出、アルコール消毒が当たり前の日常の風景になり、やれ緊急事態だ解除だマンボウだ時短だと繰り返しているうちに、なんだか慣れてきた、って人も少なくなかろう。

かくいうわたしもそのひとりだった。

 

 

今日は300人?フーン増えたねえ。五輪できんのかねえ。飲み屋とかどうなんのかねえ。夜の街に人がいなくて笑っちゃうねえ。

コロナ怖いねえ。気をつけなくちゃねえ。

なんて言いながら、どこか対岸の火事的意識になりつつあった。

 

だって、身近な人に感染者出てないしさ。

誰々さんのお子さんの通う学校で出たとか、誰それさんの会社の取引先の人のご家族の通う会社で出たとか、つまりそのくらいの距離。

そりゃ対岸だよな。

 

 

とある日、仕事を終えて帰宅した昼過ぎ。

ゆったりスマホゲームなんぞしていたらどうも鼻がぐすぐすしだした。

やだなぁ、こんな時期に花粉かな。それとも自律神経でも乱れてんのかね。

時間を追うごとに鼻水は止まらなくなり、頭も痛み出した。

んー、これ風邪かね。なんか久しぶりだなぁ。

 

そういえばコロナ騒ぎになってからこっち、体調を大きく崩すことがなかった。

世間的にもインフルエンザの罹患数がものすごく少なかったことでもはや周知の事実だろうが、「感染」するものは「気を付ける」ことでこんなに防げる、という証明になったはず。

根治法のないいわゆる「風邪」自体も、感染予防を施していたことで防げていたわけだ。

 

とはいえ現時点では鼻水と頭痛のみ。心配したもんじゃない。ひと晩寝りゃ治るだろ。

ところが翌朝、症状は悪くなっていた。

止まらない鼻水と頭痛に加え、妙な悪心。

むかむかする。ゆうべろくにものも食べていないが気持ち悪い。吐きそうだ。

食中毒以外で吐き気を催すことは滅多にないので少し動揺した。

 

 

どうやら風邪だろうと思ったので、早い段階で医者にかかっておこうと近所の内科に電話を入れた。

すると症状を詳しく聞かれ、院先にあるテントでの診療になりますが、との返答。

野戦病院みたいだなと見かけるたびに思っていたアレによもや自分が入ることになるとは。

 

気になってほかの病院も検索をかけると、「新型コロナの疑いがある症状の患者さんはしてあげられることがないから来ないでくれ」とハッキリ書いている病院もあった。

なるほど確かに検査薬が行き渡ってるわけでもなし、ワクチンもなけりゃ薬もない。おまけに来られたら院内に感染が広がる。だから来るな、道理は道理だ。

それはつまり「いつもの風邪みたいな症状=咳、発熱が出たから病院行ってお薬もらってこよ」ってのができない、ってことだ。

なんかその事実にちょっと怖さを覚えた。

 

 

ともあれわたし自身はその時点で発熱もなく、テントで無事診療を受けることになった。

電話をもらってから自宅を出発するスタイルでお願いしますとのことで、なんだか変な気持ちになる。30分ほどで電話がかかり、さあ出かけようとまさに玄関で靴を履いた瞬間にとんでもないレベルの吐き気が襲ってきて慌ててトイレへ駆け込みしこたま吐いた。吐くものもろくになかったがひとまずはスッキリした。

 

 

テントで待つこと数分、お医者は完全防備で現れ診察をしながら「のどがちょっと赤くなってるけど腫れてはいない。インフルやコロナではなさそうだね。胃をやられちゃったのかな」と所見を述べた。

こんなご時世「風邪ですね」とも言いにくいだろうなぁ、もはや区別も難しいだろうしなぁ。

お薬をもらい退散。テントで診療を受けるなんて体験もたぶん初めてで、妙な気分だった。

 

 

自宅に帰り薬を飲みとりあえず寝た。薬が効けば明日にゃ通常営業に戻れるだろう。

だが思うように回復は進まず、いやな汗をかくようになった。

足がだるい。悪寒らしきものもある。

イヤな予感がして熱を測ると37.4度。

うわあ微妙すぎる数値だ…

 

 

ここに至ってコロナの疑惑が自分の中で出てきてしまった。

普段の風邪だってくしゃみ鼻水のどの痛みから発熱して咳でフィニッシュって流れなんだが、なにぶんこのご時世だ。

コロナとの区別なんて医療関係者にだって困難なのに、素人にできるわけがない。

先に調べた通り、この程度の症状では病院や保健所に電話したところで自宅待機を言い渡される可能性が高い。

かといってこのまままんじりともせず過ごすのも…

 

というわけで、自宅で出来るPCR検査というのをネットで調べ、即日注文した。

信頼度100%とは行かないだろうが、とにかくもシロと出れば安心できる、なんて気持ちで取り寄せたのだが、さていざ手元に届き実際に検査する段になって急にリアルなそら恐ろしさがわたしを襲った。

 

 

これ、もし陽性だったら、どうなる…?

 

 

体調を崩してから仕事を休むのはもちろん、自宅内でもはむぺむとは距離を取っていた。

寝室を分け、使う道具を分け、一緒の食卓にも着かず、会話もせずにマスク着用。

彼にうつすのが何より怖かった。

常に激務の人だ、彼が止まったらどれほどの人に迷惑をかけどれほどの損害が出るか知れない。

単なる風邪ですらそう思っていたが、これがもしコロナだったら…。

 

 

コロナに飽きてしびれを切らして勝手にお気軽に飲食畑に舞い戻った挙句、コロナをもらってきて(もちろん店でもらったことがはっきりしてるわけではないが)彼の仕事に損害を与えるなんて想像するだに恐ろしい。

そして現在の勤め先の店にだって大損害を与えることは必至だ。

スタッフから感染者が出たとなれば保健所が入ることになるだろう。人の口に戸は立てられない、あそこの店コロナ出たんだってよなんて言われる。

勤めだして1カ月やそこらで店にそこまでダメージ与えて、その後続けられるのか…?

 

 

悪い想像ばかりが駆け巡る。

そして唐突に実感した。

つまりこれが、今現在におけるコロナの真の怖さなのだ。

 

 

コロナにかかること自体、罪でもなんでもない。風邪やインフルと同じで誰でもかかる可能性があるし、注意してもかかるもんはかかる。誰も悪くない。

そんなことは誰だってわかってるが、わかったうえで、それでもやっぱりかかったら「コロナにかかった」と事実だけは事実としてひとり歩きをしてしまう。

症状そのものが怖くないとは言わないが、コロナの怖さは病気そのものよりも、そのかかった事実を「まわりに知られる」ことがものすごく「影響がある」。

 

罪の意識を持つ必要なんてない、絶対ない、だけど事実として「かかった」ことで確実に周りの人間に迷惑を、もっと言えば損害を与えてしまう。

濃厚接触者ともなれば、2週間もその人たちの自由を奪うことになってしまう。

 

 

そりゃあもう、怖いよ。

マジで、想像するほどに怖い。取り返しつかない感じする。

 

 

まさに「病災」なんだ。

誰も悪くないのに、何を怖がってるのかも、何をどうすればいいかもわからないまま、かかってしまったら問答無用で罪の意識を背負わされる。

 

 

口を噤んでしまいたく、なるよ。

もしかかっていても、陽性って出ても、あるいは発熱しただけでも、知らんぷりして誰にも言わず、なんとか理由つけて熱が下がるまでひとりで寝て過ごして、やり過ごしちゃいたく、なるよ。

そして当然そうすることでまたコロナは広がる。

 

 

感染症って、なんて怖いんだろう。

恥ずかしながらこの1年余にわたるコロナ禍にあって、はじめて心底からこの「病災」を怖いと思った。

 

 

はむぺむの移動の隙間に電話で「もし陽性が出たらどうしよう?」と正直に話した。

彼は迷わず「すぐ保健所に電話して指示を仰げ」と宣った。

そうだよね。

 

 

陽性が出たからって別に殺されるわけじゃない。大丈夫。

でもお願い、陰性であってくれ。

 

説明書に従って喉の奥の唾液を摂取し、検査キットの窓に投下。

妊娠検査薬に似た形式のアレだ。

10~15分で確認できると記述があったが、結果はすぐに出た。

 

 

陰性。

 

 

よかったああああああああ。

 

 

深く大きい安堵の溜息が漏れ出た。

病気に「かかるかからない」ということ自体でなく、「かかっているかかかっていないか」にこれほど気持ちを揺さぶられる経験をすることになるとは想像だにしなかった事態だ。

ちょっと考えると、なんか変だ。意味がわからない。

 

 

100%ではないとはいえ、陰性という結果を得た。

これでひとまずは安心だ。

 

そう思ってから、何が安心なのかやっぱりよくわからないと思った。

だって風邪だかなんだかよくわかんないけど症状はあって、それもおそらく得体の知れない解明もされてないようなウィルスかなんかで、それもあるいは悪化すれば人の命を奪うようなもので、そしてそれもたぶんヒトからヒトへ感染するなにかなんだろう。

 

…?

 

この世界中を巻き込んだコロナ騒動って、いったい何なんだろうね。

 

 

新型コロナの怖さのかたちをちょっとだけ実感したお話でした。

その後軽い咳症状を経て、すでに回復しています。

 

 

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