先日野球を見に行った帰り、はむぺむの実家へ久しぶりに立ち寄った。
年に一度くらいは会っているし、関係も良好だ。
うちに子供ができないことに関してもこれまで一度も何も言われたことはない。ありがたいことだ。
良い距離感を保ってくれていることに感謝している。
んでまあ、はむぺむのご家族とあってみんなたいそうな酒好き。
長年のお付き合いの末、わたしはお酒が飲めない=ドライバーということはみんな周知のことなので、はむぺむとご両親は楽しそうに酒を飲み、わたしは勧められることはもちろんない。
いや、うん、わかっててくれることはありがたいんだけどさ。
それでもなんか、配慮する言葉くらいないもんかね、と思っちゃうわたしは贅沢なのかな。
一滴も飲めないわけじゃないし、運転だって好きじゃない。
家族みんなでワイワイ楽しそうに酒飲んでるなかでシラフでその話に付き合わないといけないんだぜ。
しかもはむぺむは自分たちの息子。
息子の酒癖をたしなめて嫁に気遣いの言葉のひとつくらいかけてもバチは当たんないんじゃないの。
もちろん、そんな言葉も必要としないくらい家族として認めてくれている、のかもしれないけどさ。
だからまあ、それはそれでありがたいことなんだけど。
ちなみに義兄ちゃんだけは、いつもいつもそういう気遣いをしてくれます。
そしていつもドライバー担当なので、酒も飲まない。
どうしたって義兄ちゃんと話してるのが一番楽しいってなる。お互いシラフだしね。
お酒の進んだ義母が、はむぺむ相手に何やら話し始めた。
男の出世の陰には常に女子供の苦労と忍耐の尊い犠牲があるのよ、みたいな話。
ふたりのやりあいをしばらく黙って眺めていたが旗色は明らかにはむぺむ優勢。
というかはむぺむと真っ向議論で勝てる人をこれまで見たことがない。
まあ酒の席だと理屈もメチャクチャではあるが、親子でこういうやりとりができるのはいいよね。
だけどどうにも義母の主張が納得できなかったので、ひとつだけ質問をしようと横槍を入れるとはむぺむに制された。
「お前は黙ってろ。おふくろをいじめるな」
自分がやりこめるのはかまわないけど、他人に母がやりこめられるのはさすがにイヤだってことか。
別にそんなつもりでもなかったんだけど、仕方なく矛を収めた。
はむぺむは別にマザコンではない。まったくそのケはない。
母を大事にするあまり嫁をないがしろにするようなタイプでは全然ない。
むしろ嫁至上主義で大事にしてもらってる。
それでも母に対する気持ちってのは世代も何も越えて万国共通の独特のモノなんだろうな。
そして義母のほうも、はむぺむのことが無条件に大好きなんだよね。
そりゃ当たり前なんだけど、彼の自分に向けた理不尽な言動には怒るわりに、彼のわたしに向けた言動は常に100%彼が正しいと彼女の目には映ってる。
彼の機嫌を損ねないように、彼の発言には常に従うべきだ、従って当たり前、みたいに思ってる。
実際わたしもそう思ってるんだけど、いざそういうのが義母の態度から透けて見えると、あまのじゃくとしてはちょっとこう、何さ!ってなるんだよね。
わたしが彼に従うのはわたしが好きでそうしたいからしてるだけであって、義母から言われる筋合いのもんじゃない。
むしろ母親なら毎度やりこめられてばっかりいないでもっと毅然として彼の行動を嗜めるくらいのことしてもいいんじゃないの?
って毎回毎回謎の対抗心を燃やしてしまってる自分がいる。
人としては普通に好きなんだけど、彼女と1対1で向き合うことはこれまでもこれからも絶対にないわけで。
嫁と姑という関係上、間には常に夫であり息子であるはむぺむが介在するわけだ。
その彼の存在を通して付き合いを維持せねばならぬ以上、嫁と姑ってのはそもそもどだいうまくいくわけがないんだよな。
極端に露骨な言い方をすると、同じ男を同時に愛してうまくいくはずない。
もちろん表面上うまくやることはいくらでも可能だけど、本心から仲良くなるってのはなかなか難しいだろうな。
たとえば同じ男を嫌い!って女性が二人いたらその人たちはすごく仲良くなると思うんだけど、その逆だとなぜかうまくいかない。
ああでも、それが手の届かない存在だったら仲良くなれるのかな?アイドルとかみたいに。
もうかれこれ40年以上やってますが、女ってのは不可思議な生き物です。