子供のころは辛いモノってぜんぜん食べられなかった。
御多分に漏れず、お寿司はいつだってお子様仕様の「わさびぬき」だった。
今じゃ考えられない。
食べられるようになったきっかけは、忘れもしない小6時父と出かけた先で入った都会の寿司屋。
慣れない環境で落ち着かない気持ちで注文したため「わさびぬき」を伝える余裕もなく、出された1人前の握りにはもれなくたっぷりのわさびが塗られていた。
「寿司と言えばわさびが入っていないもの」だった子供、何も考えずばくりと食べ、信じられない衝撃を受けたのは言うまでもなく。
なんだよコレ、人の食うもんか?迫害?攻撃?毒物?拷問?
半泣きで本気でそう思っていた。
帰宅後両親に兄も交えて「わさびについて」の家族会議(ってナンダソレ)。
オトナの意見を聞くにつれ、またチャレンジしてみようという気が起き、それを繰り返して今に至る。
辛いモノが得意になったわけではないが、いずれの種類の辛いものも人並みには食べられるようになった。自分で辛い料理も作るし。
ただまあ、甘いモノと辛いモノどっちが好きかと問われたら迷わず甘いモノ。
辛いものは神経を鋭敏にさせるというか尖る感じがするが、甘いものはなんかこう、緩む。
顔も心も、カラダも緩む。
…いやちょい待て、体が緩むのはマズイな。
チョコレートで食用油脂のカタマリみたいな体になっちゃシャレにならんわ。
ま、甘いものも辛いものも程度モンってことですな(無難な着地)。
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