本題の前にワールドカップの話をしておこう。
いやー日本代表ほんとうに惜しかった!つかもう勝ってた!勝ちでいいじゃんもう!
ってくらい、内容では負けてなかったでしょ対クロアチア。
PKになっちゃった時にはもう解説の本田氏じゃないけど見れない、見たくない、無理!ってなったよ。
PKは運。技術やメンタル、練度はもちろんあるだろうけど、ほぼ運。
ひと昔前だったら、PK、ラッキー、もしかして勝てるかもなんて思って見てた。いまはまったくそう思わない。それだけ運の要素の強いものなんだろうと思うし、だから今回PKになっちゃってその時点でかなりがっくりしてしまった。
勝ってもなんか勝った気がしないし、負けても負けきれないっていうか、やりきれないっていうか。
結果はご存じの通り悔しい悔しい敗戦となったが、世界とのあいだの高い高い、いや、高かった壁はもはや手の届くところまで来ていることを実感させてくれた今回のW杯だった。
選手、スタッフ、関係者一同、ほんとうにおつかれさまでした、ありがとう。
そして大会はベスト8が出揃い、いよいよ佳境、サッカーな日々はもう少し続きます。
さて本題。
タイトル内容の記事を書こうとして調べたら、普通に言われてることだったんだね。
校正、校閲は「守護神」「最後の門番」「ゴールキーパー」とかって言われてるらしい。全然知らなかった。
なぜ知らないのにこんな記事を書こうと思ったかって言うと、それはもうほんと「実感」なんだよ。
しかも、そんなカッコいい話でなく、あんまりプラスイメージの方じゃない、どっちかっていうと愚痴寄りのイメージ。
もちろんサッカーばっかり見てたせいもあるし、毎度ワールドカップのたびに読み返すJドリームの影響もあるんだけどさ。
日本がまだW杯に遠かったころからのお話、サッカー漫画の金字塔。もはや涙なしでは読めませんし読んで試合見るとマジで泣ける…更年期?
この記事のときにも紹介してます
これまでもちょいちょい細かいミスはあったけど、つい先日ありえないくらいでかい見逃しをしてしまい。
もちろん作る人のほかにうちの部門でもわたしのほか上長もチェックするし、さらに印刷、検品段階でもそれぞれ目は通す。
結果的に校閲ではスルーされたものの、そのあとの部署で誰かが見つけてくれたおかげで出荷前に食い止められたそうなのだが。
それについてはありがたいことにわたし個人が責められることはまるでなかった。
上長も見逃してるわけだし、作ってる人も間違えてるわけだし、連帯責任っていうか、いちいち誰の責任だって犯人捜しをしてる暇もないので当然っちゃ当然なのだが、そういう問題ではなく、わたし自身はものすごい打ちのめされた。
そりゃ人間だもの間違いはする。どうしたってどんなに気を付けたってすり抜けることはある。
でもだからこそ校正、校閲という特殊部門は存在してるわけで、そこで食い止められなけりゃ控えめに言って存在意義がない。
それでも大筋に影響のない程度のミスや違和感ならまだ仕方ないって言えるけど、メインの絶対に間違えてはいけない要素を見逃すなんて、あっちゃならないことだ。
まさか自分がそれを触っていたとは夢にも思わず、まさにゴールに転がり込んでしまったボールを見るように肩を落としてしまった。
そんときだ、この仕事ってGKに似てるって実感したのは。
これまでどれだけの赤を入れて、問い合わせ案件を見つけてきたろう。
誰も気づかないようなこまっかい違和感を見つけ、漢字を直し、数字を指摘し、綴りを整え。
でも、何百回ファインセーブをしても、たった1回のミスで打ちのめされてしまう。
これってほんと、ゴールキーパーそのものだ。
作業自体面白いし、プライドも持ってる。
わたしの見た原稿なら安心して刷れるって言われるように、精度の高い作業をしようと努力もしてきた。
ようやくルールも少しずつ身についてきて、自分でも納得できる内容の作業と相応の速度も出せるようになってきた。
ところのミス。残酷な軌跡として、わたしの脳裏に焼きついた。
見つけて当たり前、おさえて当たり前。
そして失った点を自分で取り返しに行くことはできない。
痛みに耐え、またコツコツと、地道に、地道に、作業を重ねていくだけだ。
なんか悲劇のヒロインぽい文体になってきたが、このへん前出のJドリームの影響なので読んだことある方はわかってくれるかと。
べつにそんなに酔いしれてるわけじゃないが、ただほんと、似てるなと。
苦しい、楽しい、でも苦しい、でもやっぱり楽しい。
最近はそんな感じで仕事と向き合ってます。
大別すると楽しいなんだけどね、8:2くらいで、いや9:1くらいかな。ほぼ楽しいじゃん。