「自分の手札は常に全開状態」というわたしみたいな人間は、他人に対しても同じような期待をしている。
どういうことかかいつまんでいえば「不躾・無遠慮・無礼」。
老若男女問わずどこまでだって躊躇なく土足で踏み込んでいく。
言うまでもなく悪気はゼロ。
現実でもネットでも対人態度は変わらない。
自身についてはなんでもかんでもあることないことべらべら喋る。
だから相手もなんでも話してくれることを期待している、というより当然に思っている。
そもそも「手札を伏せておく」感覚を持ち合わせていないのだからしょうがない。
開かれて困るような札の存在を想像すらしない。
以前某工場へ期間限定で行っていた時にはじめて、他人と話すさい当たり前に会話のネタになっていた「身の上話」があんがい危険なものであることに気付いた。
短期のアルバイトともなれば、わけありなお人も多いのだ。
いやまあそれまで気づかなかったってほうがアレだが。
はむぺむに言わせると不特定多数の他人と接する場所(彼にとっては仕事の各種現場がそれに当たる)で身の上話をする意識がそもそもありえない、信じられないそうだ。
うっかりそんな話しようもんなら「藪突っついて蛇蛇蛇、蛇しか出ない」からだと。
たしかにその当時「藪突っついて蛇が出る」感覚を毎日のように痛感していた。
ただ問題は、ちょろっと見える蛇にさらに興味を持ってしまうこと。
だって蛇おもしろいんだもん。
なので、結構にスリリングな日々だった。
ただの不躾バカなんだけど。
ちなみに「開かれたくない札」をもしも持っていたら、わたしは札自体を持っていることを人に悟られないように隠して一生出さない。
目の前に伏せられた札があったらどうでも開いて見たくなるじゃない。
それともそんな野次馬根性なんて、ちゃんとした大人は持ってないのかね。
当時の工場勤めの話
野次馬根性全開関連
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