言う言わない

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これも今思えばヒドイ話だ。週1このご婦人にタダでお弁当をあげてたようなもん。

でも店としては謝って金返す道を選んでた。半年くらいでいつのまにか来なくなったな。


 

たとえばアナタはレストランの客。

頼んだ料理に髪の毛が入ってた。どうする?

 

たとえばアナタはレストランの店員。

客から髪の毛が入ってたとクレームを受けた。

謝っても怒りがおさまる気配がない。どうする?

 

たとえばアナタはレストランの店長。

雇ってるバイト店員が客が怒ってると泣きついてきた。どうする?

 

 

何かひとつの問題が起きたときにそこで問題解決に加わるべき立場の人というのは大きく分けて3種類。

当事者である直接の「被害者」「加害者」と、そこに「加害者側の責任者」という立場の人が加わる、という構図はみなさま知っての通り。

細かく言えばもっといろんな立場の人が加わってくるわけだが、まあ大まかに言って。

 

もちろん法律が介在するような事になればそれはちょっと乱暴な言い方だがかえってラクなのだ。

それを生業にしてる人たちに丸投げしちゃえばいいわけだから。

 

だけどそうじゃない些細な問題の場合、非常に多く見受けられるパターンとして「加害者側の責任者」と「被害者」との間の意識の遠さやズレをもととした意見の食い違い、ってやつがある。

 

 

たとえば前出のレストラン。

客(被害者)側は金払って食ってるのに不愉快な思いをさせられた、どうしてくれんだコノヤロウと怒り心頭。まあ当然だよね。

だけど店長(加害者側の責任者)は「スイマセン、本当にスイマセンでした」って言いながらも内心は「この手のクレームって多いんだよな~。こないだもホントに入ってたんだか自分で入れたんだかわかんない客にさんざんゴネられてあげく飯代タダにさせられたもんなあ。あーもーうるせーなー、わかったよ謝ってるじゃんか、タダにすりゃいいんだろ?」くらいに思ってる。

客がこの本心を知ったら怒り狂うだろうね。だけど実際こんなもんだと思う。

 

これで客側が頭から湯気出しながらも飯代タダにしてもらって引き下がればそれで一応問題は解決するんだが、ここで店長のにじみ出る本心を感じてしまったりすると話はこじれていく。

「態度でばっかり謝ったってアンタ全然悪いと思ってないじゃないか!俺のこと「うぜえクレーマーだな」くらいに思ってるんだろ!許せねえ!アンタがもし客だったら髪の毛入ったモン食わされて怒らないのかよ!?俺は金払って飯食いに来てるんだぞ!こんな不愉快な思いをさせられるいわれはねえよ!ちゃんと謝れよ!」

いちいちごもっともなんですが、店長としてはもう謝ってるわけだからそんな言われても困るよな。もはやゴネてるようにしか感じられない。

謝ったしタダにするって言ってるし、これ以上あとどうせいっちゅうんじゃ。お詫びにお食事券でもつけろってのかい。

 

だけど客側として求めてるのは決してゴネ得ではなくて単純に「誠意ある真摯な謝罪」なんだよね。

ここらへんにものすごく意識のズレがあるわけさ。

 

客商売に従事したことがある人、そういう人たちを監督する立場に立ったことがある人、は当然こういった経験があるだろうと思える。

だから客側になったときにはこのズレを当然わからなければならないはずなんだけど、コレが意外にわからないようで。

 

 

もっともこれは客商売に限らない。

たとえば病院で看護婦のミスでひどい目にあった。交渉に出てくるのは病院長。

ぶっちゃけ現場のことなんか知りゃしない。

たとえば学校でイジメがあった。交渉に出てくるのは校長。

千人オーバーの子供の状況いちいち把握できるわけねえだろ。

 

だけど「現場のことなんざ知るわけねえ」ことは前提として、それでも責任を当然負うべき立場なのは確か。

何言われても謝らなきゃいけないしどんなに罵倒されたって仕方ないっつーか当然。

だってそれが管理職の仕事だもんな。責任取ることが責任者の仕事だもんな。

でなきゃそんな立場いらないし高い給料もらってる価値がない。

 

 

そういった実に雑多なさまざまな事情を考えるにつけ、冒頭のような状況のたびにわたしは「言おうか言うまいか」ぐるぐる逡巡の輪をめぐるのです。

あなたならどうしますか?

 

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