「友達」なんてあらためて言葉にするとえらく微妙な気持ちになるが、その存在は実にありがたいものだ。
再三書いてきているがわたしは友達が少ない。
いや表面、うわっつらだけで今度ご飯でも食べようねみたいな関係性なら、あるいは作ろうと思えば簡単に大勢作れるのかもしれないが、そんな友人がたくさんほしいわけじゃない。全然ない。
もともとは薄っぺらい友人の多い生き物だった↓
そんなわたしでも、ありがたいことに生涯の付き合いになるだろう(願望込)友達が3人いる。
このブログにも何度か登場している3人がまさにそれだ。
さくは何といっても付き合いが長いが、居住地域がだいぶ離れてしまっているためしょっちゅう会うというわけにはいかない。
それでも会うたびに高校時代の気持ちに戻ったり、答えのないことをあーでもないこーでもないとがーがー言い合っている時間が楽しくて、自分ではありえない視点や深読みにはっとさせられることもあり、刺激的だ。
いまどき風の言い方をすると多くの「気づき」がある。この表現なんか嫌いなんだけど。
間が長く空いても会えばすんなりと溶け込める、魂が近い貴重な友人。この表現めっちゃ中二っぽいな。
Eちゃんはもう、会ってるときは楽しくて楽しくてしょうがない。
ほんとにいっつも、ずーっとずーっと笑ってる。
箸が転がってもおかしいようなテンションにずっとなってる。
彼女は先月、久しぶりにウチに遊びに来てくれた。
コーヒー屋にいまでもお勤めで、たくさんの手土産を持ってきてくれた。
ちょうどコーヒーメーカーを新調したところでメチャメチャ嬉しかった。
お菓子もどれも懐かしい!もう知らないのもいっぱいある!
Eちゃんとランチのときは基本ドリンクバーがあってゆっくりダベれる店を選ぶ。
彼女が教えてくれたことはホントにホントに山ほどあるんだけど、そのうちのひとつとしてすごく影響を受けたことがあって。
いわく「友達とランチするときはきっちり割り勘のほうが長続きする」。
えーそんなことー?って言われるかもしれないけど、これものすごくわかる話。
わたし自身結構チキンで見栄っ張りだから、以前は年下と飯に行くときはおごんなきゃ、みたいなところがどうしてもあった。そしてそれがめんどくさくなるからだんだん会わなくなる、ってのも正直あって。
彼女とランチ行くようになってそういう話を聞いてから、なるほどなーってすごく納得した。
そして彼女は、いつだって流行に超敏感。
流行りの服に流行りの音楽、おもしろいことは写真じゃなくて動画。
ほんといっつも、出会ったころから全然変わらず驚くほど感覚が若い。
今回のお店でデザートがめっちゃかわいかったんだけど、写真撮って即ラインの待ち受けに変えてた。
ギャルか。
あといまひとつ、彼女は服をくれる人だ。
なんかこのフレーズだいぶアレだが、服をくれる人なのだ。
わたしはほんと彼女からもらった服ばっかり着てる。ずーっとそればっかり着てる。
ジーンズとアウターは自前だが、中に着るセーターとかシャツとかはぜーんぶ彼女がくれたもん。
ファッションにまるで興味のないわたしだが、いまどきのシャレオツでフェミニンな服を着てるときはほぼぜんぶEちゃんにもらったもんだ。
流行に敏感すぎるゆえシーズンごとに大量に買うようで、ぜんぜん着てないような服を山ほどくれるのだ。
でかい紙袋いっぱいの服をくれる彼女。
なかのセーターを広げていったらタグのついたまんまのものもあった。
いや、着ようよ!せめて一回は!
Iちゃんは現在の住処が近いのと直近の同僚だったこともあって、いちばん頻繁にかまってくれる人だ。
彼女については以前ここでかなり暑苦しく語っている。
前回は2~3ヵ月前かな、近くのカレー屋さんへ行った。
ナンで食べる、いわゆる普通のあっちのカレー。
この店はなんかいろいろセットがあって、注文時にそれをふたりで検討したとき
「チキンティッカって正直あんまり…」
みたいな話になった。
いや好きな人はいるのかもだけど、ザ日本人なわたしの口にはあんまり合わないっつーか、まあ個人的にそれほど好きではなくてだね。
それのついてないセットを選んだんだ。
ついてないセットはナンとライス両方ついてくるってやつだったので、そんなに食えないからナンだけでいいです、と店員さんに伝えた。
出てきたお皿にはライスの代わりにティッカが載っていて
「サービスです」
…あああうん、ありがたいよお心遣いありがたいけどもね!
お店側の粋な忖度に思わず向かい合って目配せしあったあと、Iちゃんがぽつりと
「本末転倒ですね」
と言った時には笑いが我慢できず声出たわ。
単語のセレクト秀逸すぎ。まさに本末転倒の見本。
今回はどこへ行こうか相談しながら街を歩き、地元密着のひっそりとやっている洋食屋に。
彼女は歩くことを厭わないので、一緒に出かけるときはたくさん歩けて、それもすごーくうれしい。
その店はだいぶ前にわたしがひとりで突撃したことがあって、そんときに食べたカレーに乗ってたたまごのふわふわ具合に感激した。
わたしはだいぶ味覚が雑な人間なので、すごくおいしいと思ったその店を、感覚が鋭い彼女と答え合わせをしたかった部分もある。
というわけで彼女はそのオムカレーを。
ちなみにこちらの写真は前回わたしが行った時に撮ったもの。記録見たら3年前くらいだった。
わたしは日替わりのハンバーグを。
こちらは今回撮ったもの。
いやーおいしかった。
ハンバーグしっかり肉々しくて、ちょっとビックリするくらいうまかった。
いわゆるガチのフレンチとかイタリアンとは違って、持ってきた外国料理を日本人好みの味に試行錯誤を繰り返して完成した「ザ・洋食」。
そうそうこれが洋食ってやつだよね!ってやっぱり今回もちょっと感動した。
ご夫婦ふたりで古くからやってる感じだが、かなりお休みの多い店で、しかもランチタイムのみの営業。
でもそのランチは近くのサラリーマンで実に賑わっている。
みんなおいしいお店知ってんだなー。
Iちゃんと一緒だと、ジャンル問わずこういうところにチャレンジできるのも楽しい。
その帰りに、当初行こうかと話していたパンケーキのお店に足を伸ばし、お土産用にお菓子を購入。
こちらは大人気のパンケーキ店で、プリンやチーズケーキなども売っている。
もう少し自宅でゆっくりする予定だったのでわたしはうちで食べる用のプリンを買って、Iちゃんは自宅用になんかいろいろ買っていた。
自宅に戻っておしゃべりに花が咲き、さてお別れの段になると、彼女は先ほど買ったお菓子の包みのうちひとつを「たるたるさん用です」と言ってきた。
意表をつかれてどぎまぎするわたし。
いや、気遣いがスマート過ぎるよ!カッコいいよ!惚れるじゃん!
いただいたチーズケーキ、かみしめながらもぐもぐいただきました。
たまごが濃厚で、しっとりしていて、すごくすごく美味だった。
でもあれだ、正直いただきものってだけで幸せが調味料として加算されるから、味の評価が3割増しになっちゃうよ!
かようにわたしはともに時間を過ごす友人たちから、人生を豊かにするあらゆるものを日々教えていただいている。
ありがたいことだ。
願わくばわたしも彼女たちにとってそういう存在でありたいものだが、さて。