中学生のころ、臨時の先生だったと思うのだが、数か月教わった先生が異動だか任期切れだかで学校を去ることになり、クラスの有志で花を贈った。
わりと若く(30手前くらいだったのかなー)、派手めで気さくな性格だったこともあり、生徒にはかなり懐かれていた。わたしもその懐いていた生徒の一人だったと思う。
わたし主導でコスモスのみのシッブイ花束を作って、ホームルームかなんかの時間でささやかなお別れ会みたいのをやった。
先生はわれわれの想像をはるかに越えて感激して、こっちが引くほどギャン泣き。
あげく
「みんな、ほんとうにありがとう。最後にみんなに、感謝をこめて心からこの歌を贈りたいと思います。聞いてください。『つぐない』」
テレサテンの「つぐない」をほんとうに唐突に前触れもなくいきなり熱唱しだした。
このときマイクとか曲とかどうしたんだっけって思い出そうとしてみたけど全然思い出せなかった。たぶん自前のハンディカラオケとかだったんだと思う。
あまりにいろいろインパクトが強烈過ぎて。
なんでカラオケ!?とか前フリの挨拶が引退する歌手か!ってツッコむ間もなく先生が暴走して、その場にいたわたしも含めた中学生のだれひとり事態についていけてなかった。
たっぷり曲を気持ちよく歌い上げた後で、先生は真っ赤な目とすっきりした表情でなんか挨拶をしてたけど、まるっきり覚えていない。
ただただ歌の歌詞を何度も反芻しながら
「先生、なんでその曲にした…?」
って思ってた事だけやたら覚えてる。
春はなにかと別れの季節。
送別会やら歓迎会やらで泥酔するならいいけど、思い出にヒロイックに酔っちゃうと、まわりがリアクションに困るような事態になりかねません。
わたしも思い込み激しくて暴走しちゃうタイプだから、気を付けないとなー。
自戒も込めて、泥酔にご用心、です。
どう聞いても男女の別れの曲だよね…