おつとめさきのお店で以前から横たわっていた問題が顕在化してきた。
前触れもなく朝礼でシェフがキレたのだ。
おつとめさきの問題関連
シェフの怒りは小さなことだけど積もり積もったもっともなものだった。
通常飲食店というものは大小かかわらず厨房とホールは分かれていて、たいがい仲の悪いもの。
うちは小さいお店なのでこれまではどうにかやってきたが、大きくなってきたズレの修正をまるでしないまま来てしまったため、そのあたりで先に厨房側が爆発してしまった形だ。
わたしも含めてパートやアルバイトはおもにホール側所属と言っていい。
シェフの怒りを申し訳なく思ったし、もっとちゃんとしなくちゃと神妙な面持ちで聞いていた。
が。
そのホールを取り仕切る(ハズの)MGRも一緒に聞いてたんだけど。
なんだろう、ものすっごい他人事なんだよね。
なんなら「なんでそんなことで怒ってんの?」みたいな感じ。
「いいから早く終わってくんないかなー、どうせ怒られてるの俺じゃねーし」みたいな鼻でもほじってそうな態度。
いやいやいやシェフが怒ってる相手、誰が聞いてもモロ貴方だから。
立場上言わないだけで完全に貴方に対してだけの集中砲火だから。
気付かないなら素晴らしい大ばか者だし、気付いてるならそれはそれでたいしたとぼけ方だ。
怒ってるシェフもそんな彼の態度にだんだん怒りが失速してくる。
抜いた刃の納めどころがわからなくなっちゃって、最後の方は「開店前にスンマセンでした、言いたいことためておけない性格なんで」みたく謝っちゃってる。
MGRは相変わらずどこ吹く風で無言のまま。
訪れる永遠に終わりそうもない重い重い沈黙。
おーいもう開店時間だよ!これどうやって終わるんだよ!
仕方なくホール側を代表する形で「気づかず申し訳ありませんでした、もっとこちらで気をつけます」みたいな回答をわたしがしたよ。
結局その後何事もなかったかのように開店したんだが。
こういうシーンって、結構ある。
怒ってる人と怒られてる人の温度差っていうか、ズレっていうか。
怒ってるほうはなんでそんなこともわからないんだ!みたいになるし、怒られてるほうは何にそんな怒ってんの?みたいになる。
そもそもそこにズレがあるから怒るわけで。
温度差が一定なら感情的にならずとも意見の交換が日常的に出来て、怒るまでは至らない。
でもズレってのは思いのほか修正が難しい。たいていそもそも個々人が持ってる意識や思想に根差したものになるから、修正しようとさえ思えない、何を修正すればいいのかわからない、状態のことも多い。
たとえが適切かはわからないけど「同じ一本橋の上で戦ってる環境」と仮定して。
いっぽうは高度何百メートルのビルに架けられた橋の上。落ちれば奈落まっさかさま。
そりゃ足の進め方も慎重になるし、ほいほい橋に乗ってくる奴にはすさまじい形相で怒るだろうよ、あぶねーだろ!
いっぽうは高度30センチくらいの一本橋で、落ちても下は池。
ほいっと飛び乗って先に乗ってた人にものすごい勢いで「あぶねーだろ、もっと慎重に乗ってこいよバカ!」って言われても、「何怒ってんのこの人?おーこわ」くらいにしか思わないだろう。
実際は同じ橋の上にいるはずなんだけど、このくらい意識に差がある。
つまりそれがそのままズレなんだよね。
自分の現在位置とまわりの人達の立ち位置を常に常に確認してこそチームは機能するわけで。
特に人の上に立つべき立場の人は、チームメイトたちが同じ目標に向かって走れていることを常に確認せねばならんわけで。
ああもうなんか、どうしたらいいんだろ。
どうしてくれよう?
わたしはお店も好きだしMGRもシェフも好きだけど、どう考えてもこのままじゃマズイよな。
来月からランチの値上げも決定。イヤすぎる。破滅への道をひた走ってる気がする。
なんかわたしにできること、あるかな。
お店の存続のために模索中です。
いい知恵をお持ちの方がいらしたらぜひご教授ください。マジメに。