母の姉である伯母が入院したと連絡をもらったので、一日母のお伴でお見舞いへ行ってきた。
ちなみに「伯母」は父母の姉、「叔母」は妹に充てる漢字だそうな。
伯母のことを母は「お姉さん」と呼んでいるので、わたしもなぜか伯母さんではなくお姉さんと呼んでいる。
もう80もだいぶ過ぎている。かなりボケている。
今回の入院は従妹曰く命に別状はないそうだが、後悔しないように動けるうちに顔を見に行っておこうということでそうなった。
伯母はもうずっと伊東に住んでいる。
幼いころには夏休みなどに連れて来てもらった記憶があるため、比較的親しみのある場所だ。
踊り子に乗っていざ。
もうだいぶ古い電車だね。
車内はそこそこすいていた。
中のつくりも古いなあ。
窓の外には海が広がってまいりました。
おーちょっと旅行気分。
伊東駅到着。
そうそうこんな感じだったねー。懐かしい。
とりあえず腹ごしらえということで手近な店に飛び込んだ。
なぜ伊東まで来て戸隠そば?って気持ちはあったが、店構えが立派でお客さんもいっぱい入っている様子だったのでこちらに決定。
が、これが失敗。
おそばは普通だし寿司ネタも悪くはないんだが、いかんせん握り方がひどすぎて。
箸で持つとボロボロ崩れるゆるさ。
味にうるさくない母でさえ「あれならわたしが握った方がマシ」とまで言っていた。
まだ面会まで若干時間があったので近くの喫茶店へ。
昭和の香りがするっていうか昭和の香りしかしない純喫茶店。
わたしはコーヒー、母はなぜかコーヒーゼリーを頼んでいた。
駅前の商店街はこんな感じ。
まんま昭和の、古き良きさびれた温泉街って風情。
そのまま海の方まで散歩に行きたかったが今日のご用事は観光じゃない。
伯母の入院する病院へタクシーで向かった。
伯母はあんがい元気だった。
ボケは進んでいるようで、間違った記憶をまるで実際に体験したかのように妙にハッキリした口調で話す。
病院側も困っているようで、ちょうど行ったときにナースステーションから近い病室に移されているところだった。
まだ母のことは認識していた。わたしのことは名前が思い出せないと言っていた。
訪れた時に名乗ったが、帰り際に名前を訊ねたらもう忘れていた。
伊東に住んでいるにもかかわらずなぜかそこを熱海の病院だと思い込んでいたり、もう長いことひとり暮らしにもかかわらず彼女の中ではなぜか従妹と同居していることになっていて、毎日夕飯を作ってあげてると語ったり、なにが本当でなにが作り話なのかさっぱりわからなかった。
一時母のところに「食パン買ってきて」と頻繁に電話を寄越すことがあり、あまりにそういうことが多いので従妹が電話を取り外してしまったそうな。
離れて見る分には笑い話だが、身内は本当に大変だ。
でもあいかわらずちいさくてかわいらしい、なんだかどっか憎めない、祖母にそっくりなお姉さん。
わりと好きな親戚だ。記憶を保ったままで元気に長生きしてほしい。
そしてそういう姿を見ると、体も頭も健康でこそ、長生きは幸せと言えるのだなとしみじみ思うのさ。
忘れっぽいわたしはいまのうちから体のトレーニングはもちろん、脳トレも可能な限りしておかないとね…。
帰りに駅のホームで「やまどり」に遭遇。
踊り子より新しい!カッコイイ!でも普通列車扱いらしい。
乗りたかったなー。
伊東に行くと必ず買うお菓子。ホールインというゴルフボールをかたどったもの。