自分で買った記憶はないけど、なぜか自宅の本棚にあった「洋モノ」2冊。
どうでもいいけど「洋モノ」って言い方ちょっとアレだよね。わかってるんだけどつい…
簡易メモですが未読の方は自己責任でネタバレご注意。
「迷路」キャサリン・コールター
FBIを舞台にした長編ラブサスペンス。
殺人の舞台になる設定自体は結局最後までいまひとつ「映像が目の前に広がるような」感覚にはなれなかったけど、ところどころの描写は映画のワンシーンのようでドキドキハラハラしながら楽しめた。
映画化したら文字通り息もつかせぬ展開、なのだろうけど、文字だとむしろ唐突感が大きくてちょっとバタつき感があった。?と思ってページを戻ることも数回。
ラブを基軸としたいわゆる女子向けの冒険活劇系。子供の頃に読んでた少女向け小説を彷彿とさせた。
一気にラクに読めるし、世界に埋没できれば幸せ物質が脳内に出る感じ。
「見知らぬあなた」リンダ・ハワード
こちらは短編オムニバス。
そしてロマンティック…いやエロ要素が強い!印象としてはほぼエロ本だよ!
ハーレクインとか読んだことないけどこんな感じなのかね。
だけど、ああだけど。
エロ要素満載なんだけど、サスペンスとしてはかなり面白い。レベル高い。
ハラハラ感ハンパない。その引っ張っていきかたはお見事としか言いようがない。
どっちもそれぞれよかったけど「迷路」と比べるとこっちに軍配が上がる。2冊とも翻訳者は一緒だから、もともとの筆の差なんだろうな。
この手のものはたまに読むと最高に面白い。
ただ、翻訳モノの唯一最大の難点、登場人物の名前が覚えられん!
横文字の名前は脳内受付が受理してくれません。どんだけ読んでも慣れないなー。
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以下9年前にルパン読んだ時に書いたもの↓
【翻訳モノの楽しみ方】
ルパンの冒険シリーズ第三弾の奇岩城を読んだ。モーリス・ルブラン作で、今回読んだのは堀口大學氏訳によるもの。
このルパンのシリーズは好きで何冊か持ってるんだけど、やはり古いものだけあって翻訳が凄いっつーかヒドイ。
まあ昔の翻訳モノはどうしたってそんなもんだし、Oヘンリとか読んでた人は普通に慣れちゃうと思うんだけど。
「ねえ君、きみは僕のしようとしたことを知らなければならないよ、なぜって君、きみがそれを知ろうとすることで僕が何を君に伝えたかったかがおそらくは驚くほど明確にかつ直接的に、それを知ることによって君はそれをより深く理解することができるだろうはずだからさ、まるで僕が実際に君にそう伝えようとでもしたかのように。」
とかいう文章がえんえん書かれているわけさ。
つまりいわゆる純粋なる英文和訳ってやつだね。慣れるとこれはこれで面白い。
翻訳モノはダメって人の気持ちもわかるけど、わたしは結構こういうのもイケるくち。
シドニィ・シェルダンあたりから格段に翻訳モノは良くなったよね、超訳なんて言われるわけだよ。
ルパンのシリーズは小学生の頃図書室ですっかり読み漁ったけどそれは子供向けにわかりやすく書きおろされていたバージョンで、大人向けのものは上記のような文体なので読むには結構な根性がいる。でもやはりすごくおもしろかったよ。
世紀のヒーローみたくイメージ持ってるけど、ルパンはたいへん人間臭い。
この奇岩城では恋するルパンが見られるし、おなじみガニマールとホームズさんもご出演なさってる。
逆転につぐ逆転という構図も刺激的だし、期待通りで期待はずれのラストもよかった。
ルパンはガチガチの翻訳内容からでさえ情景が見えるようなモノですばらしい娯楽作品だと思う、そう、娯楽なんだよね、文学じゃなくて。
ってなんか書き口も翻訳文みたいになってるな。