日本、決勝トーナメント進出決定。
世界の16強に残りました。首の皮一枚、賛否両論あるでしょうが結果がすべての世界なのだから、結果こそ評価されるべき。
詳しくは後述するとして、さっそく明日6/30からはじまる決勝トーナメント表をどうぞ。
ちょっとちっちゃくて見にくいですが試合開始時間も載せました。
自分用の観戦のお伴です。自己満足全開です。
ノックアウトステージって呼び名がすごく好き。
さてさて物議を醸したゆうべの日本✕ポーランド戦。
勝ちか引き分けで決勝T進出ってことで、先を見据えた大胆なメンバー交代に驚きました。
戦力温存、長谷部ベンチ、引き分け狙いの布陣。
そして前2戦でさんざん叩かれた川島選手をスタメンどころかキャプテンとしての起用。
その川島は監督の起用に応えたかたちでまさにファインセーブ連発。
命拾いした…ってシーンがいくつもありました。ネット上では川島への懺悔ツイートが続出したそうな。
こういうドラマはたまりませんなあ。
しかし試合は生き物。後半14分、セットプレーから無情にもボールは日本のゴールへ…
この時点で裏の試合はコロンビア0-0セネガル。このままではグループステージ敗退。是が非でも1点が欲しい…!
攻め手に苦しむ日本に後半29分情報が飛び込んできた。
コロンビア1点先制!
この時点でグループリーグの順位は1位がコロンビア、2位にセネガルと日本が並ぶ事態に。
セネガルと日本は勝ち点同じ、得失点差も同じ、直接対決もドロー。
このままじゃ抽選…!?と思ったら、今大会から「フェアプレーポイント」が条件に追加されていた。
詳しい計算説明は省くが、ものすごくざっくり言うと「イエローカードの少ない方が勝ち」って話。
そのポイントはこの時日本がセネガルを上回っていた。
そして試合終盤、我らが日本代表は信じられない行動に出る。
パス回して時間稼ぎ。
勝ってるチームがやるのはいくらでも見たことがあるが、負けてるチームがやる状況になかなか出くわす機会がないので最初はほんとうに面食らった。
フェアプレーポイントで勝ち抜けそうな日本が全然フェアじゃないプレーをしてるっていう。
もちろん会場のブーイングもすごかったし、対戦相手も戸惑っていたように見えた。
でも、冷静に考えればこれはアリだ。全然アリ。
野球に敬遠があるように、そもそもサッカーだって状況に応じて引き分け狙いなんて戦術だって当たり前に受け入れられている。
この状況下では「このままセネガル✕コロンビア戦の点差が動かなければ」勝ち抜けが決まるのだ。
へたに動いてカウンター喰らって失点なんかしたら目も当てられない。
がむしゃらに動いてレッドカードなんてもらったらそれこそ泣くに泣けない。
他力だと責める声もあったが、「実際にコロンビア、セネガルそれぞれと対戦したからこそ*1」の判断だったのだろう。
とは言っても、サムライを自負する日本人にはなんとも飲み下しがたい事態であることは確か。
わたしなんかもサッカー見慣れていないせいもあって、時間稼ぎに徹するイレブン*2を見ながらすんごい頭の中をぐるぐるこれらの言葉が駆け回ってました。
勝てば官軍、負けるが勝ち、戦略的撤退、逃げるが勝ち、三十六計逃げるに如かず
そうして自分の気持ちを納得させようとしてた感じ。
日本は見事決勝トーナメントへの進出を決めた。
結果だけ見れば実にすばらしい采配だった、と言わざるを得ない。
釈然としない気持ちで見ていたけど、いっぽうでちょっと感慨深いというかいままで体感したことのなかった感情もあり。
日本が世界の舞台でこんな戦い方をする日が来るとは…!みたいな気持ち。
結果にこだわれば当然の選択肢だし、それで誰に叩かれようがどうだっていい。
実際ヨーロッパや南米あたりの国なら、こんな戦略的な試合一度や二度でなく経験してるんじゃなかろうか。
たまたま今回は相手ポーランドが敗退決定していて、しかも試合自体はポーランドがリードしていた。
べつに追加点を取らなきゃいけない状況でもない。当然リードを守って逃げきる意識で試合を運ぶだろう。
おたがいの利害がばっちり一致してしまったのだ。
全開他力、しかもネガティブな戦略とあってモヤモヤ感はあった一方で、われらが日本も悪評を気にせず結果だけにこだわれるふてぶてしさを持つようになったか!と頼もしい気持ちもあり。
さらに「パス回しして時間を稼ぐ」ような試合運びをしているのが、なんだかこう、わたしには強いチームの特権みたいにも見えて。
たとえが難しいんだけど、子供がオトナの世界を垣間見てしまった気持ち。
「オトナって、キタナイ。…でもなんか、これがオトナなんだろうな。キタナイけどカッコイイ…」
って憧れる気持ちに近い。
ここまで西野采配はことごとくズバリと当たっている。
それも選手たちとのコミュニケーションが十二分に取れているおかげもあるんだろう。
実際ネガティブな指示に少なからず不満もあったろうと思うけど、選手たちに動揺は見られなかったし、結果にこだわる姿勢はチーム全体にちゃんと一貫して浸透している風に見えた。
ちなみに今回みたいな「露骨な時間稼ぎ」について、現行のルール上では問題ない。
それを防ぎたいなら柔道の指導とか格闘技の警告みたいに、膠着状態を防ぐ施策をサッカー協会側で考えるべきなんだろうね。
ゲーム性としてはそのほうが面白くなると思うけど、国の威信をかけたこういう大会ではある意味そういうドロドロした部分も含めての楽しさってのもある。
まあVARの件もフェアプレーポイントの導入もそうだし、まだまだルールに関しては今後も変わって行くのだろうね。
ともあれ、決勝Tへとコマを進めた我らが日本代表。
次はもう、戦略もへったくれも関係ない、負けたら終わりのわかりやすいノックアウトステージ。
勝つも負けるもスカッとしたサムライらしい戦いが見られることでしょう。
いくぜニッポン!がんばれニッポン!