たるたるはテレビが好きでない。
はむぺむがテレビっ子のためテレビのついている率は高いが、ひとりだとまずつけることはない。
だが、ほんとに唯一楽しみに毎週見ていた番組がある。
それが「鉄腕DASH!」だ。
なかでも山口達也が抜群に好きだった。
TOKIOというグループをアイドルグループという視点で見たことはあまりないが、ことに鉄腕DASHという番組内では彼の存在感は欠かせないものであったことは誰もが認めるところだろう。
彼なしにはあの番組は成り立たなかったのではないかとさえ思える。
番組内の彼らは「同じ部活の高校生」みたいで、ちょっと頼りないけど人望のある部長=城島茂リーダーのもと、なんでもデキる頼れる部員山口達也、理屈で勝負の国分太一、ムードメーカー松岡昌弘と控えめでひょうひょうとしたエース長瀬智也、みたいなキャラ付けで、彼らの掛け合いを楽しく見ていた。
騒動自体はもうさんざん語り尽くされていると思うし、示談も処分も制裁も済んだ。
それをとやかく言うつもりはない。
ただただ、この先鉄腕DASHという番組で達也が見られないことがひたすら残念でならない。
本人とメンバーの会見もしつこいくらい放送されているものを見た。涙を禁じ得なかったが、一点だけ、どうしてみんなそこわかってあげないの?って部分があった。
達也本人の
「待っていてくれる場所があるならTOKIOでありたい…」
という台詞。
これをみんなこぞって「甘い!」みたいに叩きまくってたけど、それ本人痛いほどわかってるだろうと。
だからそう発言してしまったあと、こらえきれずに嗚咽を漏らしたんじゃないか。
本心ではあるだろう。そうなったらどんなにいいかと思っていたろう。
でももう取り返しつかないことはいちばん当人がわかっていただろう。
見ててほんとうに胸の痛いシーンだった。
ともあれ立派な犯罪。訴えは取り下げられたとはいえイメージ商売の業種としてはもうどうにもならないし、今後しれっと短期間でブラウン管に戻ってくることもないだろう。
鉄腕DASHという「部活」で達也の活躍を見れることは、たぶんもうない。
内容は多少異なるが極楽とんぼの山本をテレビで見かけるようになるまで10年近い年月がかかっている。
人気商売という業種においての「禊」にそれだけの時間がかかると仮定すれば、達也はみそぎ後56歳。
出番待ちをしている若手タレントがすでに大渋滞を起こしていることを考えても、彼の番組への復帰は現実的ではないだろう。
そもそも番組自体、あと10年続くかどうか。
もちろん続いてほしいとは思っているが、正直「達也のいないDASHなんて…」という気持ちは否めない。
そしてそれは他のメンバーががんばったところで、あるいは後継者的なスタンスであらたなタレントを送り込んだところで容易に埋められるものではない。
べつにそれは山口達也という人間じゃないとダメ、って言う話ではなく。
達也が20数年、さまざまなものごとに真剣に真面目に情熱的に取り組んできた「積み重ねの結晶」こそが魅力的だったのだ。
もちろんそれはイコールで達也じゃないとダメって意味になっちゃうんだけどさ。
騒動後の鉄腕DASHはさぞかし視聴率を取るだろうと楽しみにしていた。
20.8%だったそうな。
達也の残してくれたいろんなものを、手探りながらメンバーとスタッフみんなでこれからも続けて行こうという意思表明の受け取れる、とてもいい編集だったと個人的には思った。
長瀬のカラ元気な台詞は切なかったし、今回の騒動でいちばん痛手を受けているのはおそらくなにげに彼だろう。
TOKIOのメンバーはそれぞれに担当がわかりやすく分かれていて、長瀬は間違いなく「音楽活動」にもっとも力を注いでいただろうから。
バンドとしてのTOKIOも大好きだった。
だが長瀬が「彼の音がないと形にならない」とコメントしていた以上、今後の音楽活動は望み薄だろうな。
長瀬を筆頭にあきらかにジャニーズやらアイドルやらの枠を乗り越えたよいものを作るバンドになっていた。
テレビの音楽番組なんかでも、彼らが出る時は楽しみに見ていたくらいだったので、それもほんとうに残念でならない。
先日、西条秀樹が亡くなった。
世代ちょっと上なイメージはあるし、大病したことも知ってはいたが衝撃だった。
べつに格別ファンでもないのだけど、時代の象徴的なだれかの死に接すると残酷な時間の流れを嫌でも感じずにいられず、すこし焦る。
ちなみにこんなのも歌ってるんですよ*1
ちょうど先日、わりに好きだったアースジェットのCMが郷ひろみから亀梨和也に代替わりしたのを見て少しせつない気持ちになっていたところだった。
ノリはちゃんと踏襲してくれている。
引退したり、亡くなったり、あるいはなにかの事情でブラウン管*2のなかに現れなくなる人たちをとても切ない気持ちで見送るけど、人は触れ合ってないと忘れていく。
それもけっこうあっさりと残酷なほどに。
そしてそれは案外とテレビの向こう側だけの話でもないのかもしれず。
会わなくなって久しいあの人この人がいまどうしているか、生きてるかどうかさえ、人ってわからず生きている。
これからも4人になったTOKIOと鉄腕DASHは見守って行きたいが、この先なんとなく見なくなってなんとなく意識の中から薄れて行ってしまう、気がしているのも事実。
わたしにとっては「長年大好きだったテレビ番組が、ひとつ終わってしまった」。
いろいろと胸の痛い、そして時の流れの非情さと、人生についてまで深刻に真剣に向き合わせてくれた騒動だった。
…あと、はむぺむもたいがい酒飲みなので、そこもかなり考えさせられたなー。
がんばれリーダー!
普段ドラマなんて見ないけどたまたま見たら面白かった
長瀬はソロでやってくべきだよね
太一って器用で小回りが利いて多才なイメージ
こうしてみるとそれぞれが得意分野を持っていてあらためて素敵なグループなんだな